パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
駒木さんが拘り抜いたウェディングドレスになったが、駒木さんは儀礼服にした。
絶対、儀礼服がいいという私に駒木さんは。

『えー、昔はこれが普通だったみたいだけど、今はお色直しで着るくらいだよ』

……などと渋られたが、そこは目一杯どれだけ格好いいか力説して、採用してもらった。
やはり、これにしてよかったと思うくらい、儀礼服姿の駒木さんは格好いい。

祭壇の前にふたり並び、式が始まる。
出会ってすぐ、いきなり手錠をかけられそうになって、ヤバい人だと思ったのもいい思い出だ。

誓いの言葉が終わったあと、係の人が司祭に何事か合図を送っているのに気づいた。

「えー、あー……」

私たちにだけわかるように、司祭が小さく手招きする。

「……結婚指環がないんですが」

顔を寄せると、困惑気味に囁かれた。
向こうで係の方がケースをパカパカさせているところから推測するに、開けたら入っていなかったようだ。

「あー、入れ忘れた」

「……は?」

へらっと情けなく、駒木さんが笑う。
マリッジリングの管理をしていたのは駒木さんだ。
今朝、外して彼に預けた。
なのにそれを忘れてくるとは?

「代わりにこれでいいよね?」

どこから出したのか、彼の手には手錠が握られている。

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