パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
営業部では櫻井さんが急に辞めた理由は私らしいと噂され、居心地が悪くなっていた。
さらに森田さんのサボりを遠回しとはいえ告発してしまったので毎日、念仏のように彼女の怨嗟の声を聞いていた。

そんな折、人事部長からうちに来ないかと誘いを受けた。
私が職場環境で疲れているのを駒木さんは知っていたので、彼が手を回したのでは? と警戒もしたが、森田さん告発の件が人事部長の耳に入り、ツボったらしい。
複雑な気持ちではあったけれど、部署を変わってやり直すのも悪くないなと思ったので、人事部に異動した。

「わかった、じゃあそれは引き続き頼む」

「わかりました」

パソコンに向き直り、仕事を始める。
人事部では私の見た目など関係なく、普通にひとりの社員として扱ってもらえた。
不当に仕事を押しつけられることもない。
さすが、切れ者部長の支配する場所というか。
おかげで、心穏やかに仕事をしている。



婚姻届を出してから三ヶ月後、その日は私たちの結婚式だった。

「やっぱり格好いい……!」

携帯を手に、角度を変えて何枚も駒木さんの写真を撮る。

「花夜乃さんに褒めてもらえるなんて、これにしてよかったな」

へらへらと駒木さんの顔はさっきから、崩れっぱなしだ。

結婚式、私は普通に……嘘です。
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