パーフェクトな警視にごくあま逮捕されました
第二章 結婚してあげますよ
――携帯のアラームで目が覚めた。

「あと五分……」

携帯に手を伸ばしたところで、違和感に気づく。
まだぼーっとする頭で起き上がり、辺りを見渡した。

「……どこ、ここ?」

あの、変な男と食事に行き、嬉しいことを言われて気持ちよく酔っぱらったまでは覚えている。
それで……。

「……え?」

隣ですよすよと気持ちよさそうに眠っている人物を見て、みるみる血の気が引いていく。

……なんで、彼がここに?

というか、お持ち帰りされたからここにいるんだろう。

そろりと自分の身体を確認した。
ブラは着けている。
布団も捲ってみたら、ちゃんと下も穿いていた。
脱がされたのは服だけのようだし、彼もパジャマを着ているが、まだ確信は持てない。

……それで、これはどうしたらいいんだろ?

眠っている彼の頬をつついてみる。

「……んー、花夜乃、さーん。
……うふふ、可愛いー」

なんだか嬉しそうに笑っているが、なんの夢を見ているんだろう?
私が出てきているようだが、変な夢じゃありませんように。

音を立てないようにベッドを出て、服を探す。
近くにあるひとり掛けソファーにかけてあるのが、すぐに見つかった。
それにしてもここ、どこなんだろう?
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