6月のシンデレラ


「ところで永美里、蛇塚の家とは縁切ったってことでいいの?」

「うーん、結婚したらもう他人だし…そうなるのかしら」


結婚式も特に招待するつもりはない。
呼んでも来ないだろうし。


「私はそれが正解だと思うわよ。最後まで永美里を道具扱いするような家、もう関わらなくていい」


舞ちゃんは祐巳姉さんと中学の同級生で、私のことで祐巳姉さんと強く対立することもあった。
いつでも私の味方でいてくれた。

舞ちゃんのお母さんもよく私を心配してお家に呼んでもらったし、教師である舞ちゃんのお父さんは勉強を教えてくれたり、進路相談にも乗ってもらった。

いつも支えて助けてくれて、感謝してもし尽くせない。

とても大切な人だから、青人さんにもちゃんと紹介したかった。


「舞子さんは永美里のこと、とても大事に思ってるんだね」


舞ちゃんと別れた帰り道、青人さんがそう言った。


「舞子さんに認めてもらえるように、俺も永美里のこと大事にするから」

「っ、私も青人さんのことずっと大切にする」


私を大切にしてくれる人たちに、何が返せるのだろう?

私にできることなんて限られたことしかないけれど、できる限りのことはしたい。
これまで以上に感謝の気持ちを忘れずにいたいと強く思った。


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