6月のシンデレラ


青人さんはどんどん甘くなっている気がする…。
私の心臓これから保つのかしら…。

仕事は一旦続けるけれど、結婚を機に辞めようと思っている。
とりあえず今は目の前のお仕事を頑張って、結婚資金を貯めなければいけない。

それから、舞ちゃんに青人さんを紹介した。


「……ちょっと待ってよ、急展開すぎて状況が飲み込めないんだけど」

「そ、そうよね…ごめんね」


付き合うのかどうなのかという話から、いきなり結婚だものね…。

舞ちゃんにはこれまでの経緯をすべて話した。
頭を抱えながらも舞ちゃんは全部聞いてくれた。


「永美里、今幸せなの?」
「ええ、とっても」
「そう…それならいいの。結婚おめでとう」
「ありがとう、舞ちゃん。それでね、舞ちゃんにお願いがあるの。
ヴァージンロードを一緒に歩いて欲しくて」


結婚式は家族挙式にするつもりだけれど、私には身内がいないから。
ずっと支えてくれた舞ちゃんと舞ちゃんのご家族を呼びたい。

ヴァージンロードは舞ちゃんと一緒に歩きたいと思った。


「…私でいいの?」

「舞ちゃんがいいの」

「わかったわ」


少し潤んだ瞳で頷いた後、今度はキッと目を吊り上げて青人さんを睨む。


「永美里は私の妹も同然!絶対に幸せにしないと許さないから!」

「はい、必ず」


舞ちゃんの愛ある激励も、青人さんが真剣な表情ではっきりと言い切ってくれたこともとても嬉しかった。

やっぱり私はとても幸せ者だ。


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