日替わりケーキとおしゃべりタイム
でも、イライラさせてしまっている自覚が私にもあるから、お姉ちゃんのことを悪く言おうとは思わない。

でも…やっぱり、気は遣っちゃうよね。

それより、早く荷物準備して下に降りないと。井上くん待ってると思うし。

急いで準備をして、下に降りると、車から降りていた井上くんが、私を見つけて、軽く手を挙げた。

「ごめんね。結構待った…よね?」

「いや?俺も買うのに悩んだものあったから、今着いたところ」

優しい表情でそう言って、助手席のドアを開けてくれた井上くん。

こういうさりげない動作ができる井上くんって、すごいな…。

シートベルトを締めて、車を走らせるとすぐに、井上くんは私の方をチラッと見た。

「なんかあった?」

「えっ?」

そんなこと聞かれると思っていなくて、驚いて井上くんの顔を見る。

「なんか、気が重そうな表情してるから…。もしかして、泊まりたくなくなった?」

「ううん。そんなことないよ?って、これじゃあ…楽しみにしてるみたいで、それはそれで…恥ずかしい…」

自分で言っておいて、体が熱くなる。

「…何もないなら、それでいいけど…。自分で言って照れてるの見ると、俺もどうしていいかわかんなくなるから」

恥ずかしそうな井上くんに釣られて、私もさらに恥ずかしくなる。

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