幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました
流れる時間はあたたかに
「今日はだいぶ冷えるね。あったかいシチューを作ったの」

「こんばんは!」と訪ねてきた明依が持ってきてくれたのは、たっぷりのシチューだった。

「ありがとう! 上がって!」

 迎えた沙也は、笑顔で靴箱からスリッパを取り出して、玄関先に置く。

 明依も屈んでショートブーツを脱ぎはじめた。

「うん、お邪魔するね」

 あれから季節は流れ、十月になった。

 妊娠してから、約半年。

 引っ越してからは、約二ヵ月。

 だいぶ体調の変化にも、この生活にも馴染んだ。

 もう沙也のお腹も、服の上から膨らみがわかるくらいになっている。

 ただ、安定期に入ったので、初期よりも体調は落ち着いていた。

 会社を休むことも、ほとんどなく通えている。

 幸い、ここまでは順調に進んでいた。

 清登に悟られている様子はないし、両親もこまめに連絡をくれて、半月に一回ほどは様子を見に訪ねてくる。

 優しいひとと環境に囲まれて、沙也のお腹は少しずつ膨らんでいっているところだ。

 健診でも毎回問題ないと言われていて、毎回そう聞けるときは安堵してしまうのだった。

 そんな日々の、今日は日曜日。

 明依が「夕飯、一緒に食べない?」と誘ってくれたので、待っていた次第だ。
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