幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました
それは積み木を積むように
 それから数日、世間では梅雨明け宣言が出た。

 テレビで洋斗とそのニュースを見た沙也は、なんとなく思った。

 むしむしするし、近年の熱さは暴力的だけど。

 太陽が一番明るくなって、輝く季節がやってくる。

 その季節の到来によって、自分も明るく照らされるような気がする、と。

 本当の夏になって、数日後。

 清登から連絡が来た。

『今度の日曜日、会えるかな』

 本題はなにも書いていなかった。

 それだけだった。

 でももちろん、沙也はわかった。

 清登の心は決まったのだ。

 それだけではなく、きっと身辺のことも整ったのだ。
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