幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました
 そうしてから洋斗を抱き上げる。インターホンの前まで行って、「はい」と応答し、エントランスのロックを開けた。

「邪魔するよ」

「お邪魔します」

 エントランスを抜けて、エレベーターに乗ってきた二人が入ってきたのは、数分後だった。

 今日の訪問客は、清登の両親だ。あのとき清司(せいじ)と名乗った父と、茜。

 今日は二人ともカジュアルな装いだった。茜も着物ではなく、ワンピース姿。かしこまった場ではないのだし、清登の自宅であるのだから。

「いらっしゃい、父さん。母さん」

 洋斗を抱いた清登が玄関を開け、挨拶する。

 部屋着のゆるっとしたロングワンピース姿の沙也は、ちょうどお茶の支度をリビングに運ぼうとしていた。

 トレイから一通り下ろしたら自分も出て行こうと思い、清登が開けたリビングの入り口ドアからその様子を聞く。

 聞こえた内容にはちょっと微笑んでしまった。
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