彼は『溺愛』という鎖に繋いだ彼女を公私ともに囲い込む【episode. 0】
 
 「どう?」

 菜摘は少しローズの色が強い口紅が赤くなった頬に映えて、自分が少し大人の女性に見えた。
 
 急いでティッシュで少し抑えると落ち着いた女性が鏡に映っている。
 
 自分じゃないみたい……新しい経験が自分を一気に色気のある女性へ変えていた。

 「これからここでキスしたら必ず塗ってあげるよ。これはキスでも落ちづらいらしいからね」
 
 菜摘は顔を真っ赤にして、うつむいた。

 こんなの反則。会社でこんなのおかしい。

 デスク前にようやく座った彼を前にして、呼吸をすると今日の予定を話す。

< 83 / 109 >

この作品をシェア

pagetop