鬼の子




「・・・・・分かってるから。私、球技大会には出ないし、迷惑かけないよ」

声がどんどん小さく弱々しくなり、そんな自分が痛々しくて哀しい。


私が球技大会に出ないということで、話はまとまったと思っていた。



「お前ら、球技大会勝ちたくねぇの?」


綱くんは、クラスメイトを挑発するように薄ら笑いを浮かべながら言葉を発した。



「そりゃあ、勝ちたいけど・・・・・」
「ねえ?」



「俺、必勝法思いついたんだけど、聞く?」


みんな興味が出たのか、淡々と聞いているだけだったクラスメイトも、顔を上げて綱くんの声に耳を傾けた。
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