クールな綾瀬くんと、秘密の愛され同居始めます。
それはある休み時間に起きた。
(…あ、綾瀬くんだ)
廊下で綾瀬くんを発見。
教室でも家でも避けまくっていたため、遠くから見ることしかできないけど、はっきりと分かった。
ちゃんと綾瀬くん…ちがった、弥生くんを見るのは、なんだか久しぶりな気がする。
「やよいく…」
うれしくて、話しかけようとしながらぼうっとそんなことを考えていると、隣に女の子がいるのが見えた。
ードクリ、心臓が嫌な音を立てる。
「ーっ…!」
驚いてとっさに角に隠れた。なんでかは分からない。けど、そうしないとって本能が言っている気がした。
ここにいてはいけないって。
頭が埋めつくすのは、たくさんの疑問と焦り。
なんで、なんで。弥生くんって女の子苦手なはずじゃなかったの…っ?
でもそこには、楽しそうに話をする女の子と…見間違えることのない弥生くんの姿。
(かわいい、子だなあ…)
黒髪ストレートの美人さんで、とっても知的そうな女の子。口元のほくろが色っぽくて、弥生くんとお似合いに見えた。
(もう苦手は克服したってことなのかな…)
ー私だけじゃ、なかった。
あんなに優しい笑顔を向けてくれるのも、名前で呼んでくれるのも、美味しそうにご飯を食べてくれるのも……全部全部、私だけだと思っていた。