迷惑をかけた相手になぜか溺愛されたようです。
あなたの隣に相応しい女性
唯の両親が東京に尋ねて来てから早いものでもう3カ月が経っていた。
両親の訪問から少しして、ブラックローズ社は世界的に注目の的になってしまったのだ。
それは世界的な歌姫であるラブリー・キャンベルが大好きなコスメとしてブラックローズ社をあげたことが話題となっていた。
特に深いボルドーのリップがお気に入りと言ったことで、そのリップの売り上げはもちろん今世界的に話題の化粧品会社となっている。
そんなある日、ラブリーが来日してブラックローズ社に訪問するということになったのだ。
お忍びで訪問の予定だったが、マスコミはどこからかその予定を知り、朝からマスコミや話題のYouTuber、美容系のインフルエンサーなどが会社の前に押しかけていた。
当然社内もその準備に大騒ぎである。
ラブリーと対面するのはもちろんCEOである玲也と秘書の瀬谷、そして営業部から部長の小笠原となぜか唯も部屋に呼ばれた。
唯が呼ばれたことで納得いかないと異議を唱える者も出たが、玲也の指示は変わることがなかった。
唯はなぜ自分が呼ばれたのか分からないが、緊張で手が震えるほどだった。
訪問予定の時間を少し過ぎた時、会社の入り口でざわざわと人が大騒ぎをしている音が窓越しにも聞こえて来た。
ラブリーが到着したのだろう。
瀬谷が会議室のある階のエレベーターへ迎えに行くと、ラブリーは3人のボディーガードとマネージャーを従えてエレベーターから降りて来た。
屈強なボディーガードの男3人はラブリーを囲むように歩き出し、その後ろから眼鏡でやせ型のマネージャーらしき男性が付いて来た。
瀬谷はその場で一礼をした後、会議室へと案内した。
会議室の前に到着した瀬谷は、ドアをノックする。
コン、コン、コン。
唯の緊張はその時最高潮になり、ゴクリと唾を飲み込んだ。