迷惑をかけた相手になぜか溺愛されたようです。
会議室のドアが開くと一番に入って来たのはラブリーだった。
ラブリーは胸元が大きく開いたミニスカートのワンピースを着ている。
そのスタイルの良さに、女性である唯も息を飲むほどである。
玲也と私達が立ち上がると、ラブリーは玲也に近付き急に飛びつくようなハグをした。
「レ、イ、ヤさん…会いたかったわ…私このために…日本語…勉強したよ…」
ラブリーはかたことの日本語を話しながら、熱烈に玲也に抱きついたのだった。
「…ありがとうございます。」
少し困った顔をした玲也だったが、抱き着いたラブリーをスマートに自分から引き離しラブリーへ微笑んで見せた。
こういうところはさすが玲也だ。
女性の扱いがスマートなのは、普段からこういうことは慣れているのだろう。
ひとまず席についたラブリーだったが、営業部の小笠原がいろいろと話をしているがまったく聞いていない様子。
玲也の顔を蕩けるような表情で見つめているではないか。
すると突然ラブリーが声を出した。
「レイヤ…このあと…ご飯…一緒に…行こう。」
玲也は表情を変えずに落ち着いていた。
「では、ここにいる皆さんで行きましょう。」
ラブリーは口を尖らせて拗ねるような表情で大きく首を左右に振る。
「いや…れいやと二人で行くの!行ってくれないと、ブラックローズ悪い商品と言うよ!」
ラブリーの影響力は凄いものがある。
今、この人にブラックローズの悪口をいわれたら面倒な事になる。
玲也は少し目を閉じたが、すぐに瀬谷へ向かって話し出した。
「瀬谷、帝都ホテルのいつものレストランに2名個室の予約を頼む。」
「かしこまりました。」
瀬谷が予約の為、席を外すとラブリーはとても機嫌よく笑顔になる。
それまで黙っていたラブリーのマネージャーが声を出した。
この人は日本語も堪能で5か国語が話せるという。
さすがラブリーのマネージャーだ。
「ちょうど良かったです。本日はラブリーももともと帝都ホテルに宿泊する予約だったのです。」
唯はなぜか嫌な予感がしていた。