迷惑をかけた相手になぜか溺愛されたようです。


玲也たちの後姿を見送る唯。
唯の心はなにか重いものが押し潰しているような苦しさが押し寄せる。


瀬谷は唯を乗せて車を走らせる。
普段は余計な事を何も話さない瀬谷だったが、唯に向かって独り言のように呟いた。


「CEOは何かお考えがあるのでしょう。」


唯は俯いたまま返事をした。


「…そうですね。私もCEOを信じています…。」


家まで送り届けてもらった唯。
時刻はもうすぐ日付が変ろうとしている。


唯はそのままソファーに座るとなにも出来ずにただ座っていたのだ。
どのくらい時間が経ったのだろうか、唯は疲れから少し、うとうととしてしまった。
真っ暗だった窓の外が少し明るくなり始めていた。

時間を見る唯。


「…もう5時になるところだ。」


しかし、唯が家に帰った時のまま部屋は静まり返ったままだった。
玲也は帰って来ていないのだ。

玲也は朝早く起きる習慣があり、5時にはもういつもだったら起きる時間なのだ。


(…玲也さん、帰ってこなかったんだ…)


唯は昨日帰ったままの姿で座っていたため、急いでシャワーを浴びて会社へ行く用意を始めた。




< 113 / 140 >

この作品をシェア

pagetop