迷惑をかけた相手になぜか溺愛されたようです。
唯は心配そうな玲也を見ながら小さな声で呟いた。
「私には、そんな価値は無いと思います。玲也さんは私なんかより素晴らしい女性を選ぶべきだと思います。」
一瞬驚いた表情をした玲也だったが、大きく息を吐くと唯の頭に優しく手を置いた。
「俺の隣は唯ちゃんだけだ。まだ出会って間もない頃、君は僕の正体も知らず見知らぬ男に料理を作ってくれたり殺風景な家を明るくしてくれたんだ。今まで悲しい事に寄って来る女性は俺の肩書が目当てなんだよ。しかし唯ちゃんは、なんの損得も考えないで俺に安らぎを与えてくれたんだ。そんな君に俺は知らないうちに惹かれていたようだ。」
「でも…玲也さん。本当に私で良いのですか?」
「俺は唯が良い。」
唯はそのままポロポロと涙を流していた。
「兄さん、唯ちゃんを泣かせた責任はとれよな。」