捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
 イオレッタが精霊師としての能力を持っていると知ったら、伯爵はベルライン家に新しい精霊師が生まれたと喜んでくれるだろうか。それとも、彼を越えたイオレッタを憎むのだろうか。どちらかと言えば後者の気がする。
「やだやだ、やめやめ」
 過去のことに囚われていてもしかたない。イオレッタの存在を否定し続けた人のことを考えるだけ無駄。
 ――でも。
 家を離れてみれば、そんなのとても小さなことだった。
 イオレッタにだって、友人の一人や二人できた。マーガレットとか、『ニバーン』の面々とか。アリスとも時々手紙のやり取りをしている。
 ゼルマも友人に数えたいところだ。だって、『女の子二人の同居生活』なんて、言葉だけでわくわくするではないか。片方は幽霊だけど。
(クライヴさん達は、私のことを友達だと思ってくれているかな……?)
 なんとなく、自分はクライヴに好意を持っているような気がする。だけど、彼にはうかつに近寄らない方がいいような気もするのだ。
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