捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
 だが、青年はひらりとブライアンをかわし、そのついでのように足を払う。ブライアンはそのままズデンとひっくり返った。
「クライヴ、あなたいきなり何やってるんですか」
「正当防衛だろ? こいつから殴り掛かってきたんだから」
「それはそうですが、初めての街でいきなり暴力沙汰はやめてください、本当に……」
 クライヴと青年に呼びかけたのは、彼と同年代と思われる青年だった。頑丈そうな鎧で全身を覆っている。クライヴも背が高いのだが、彼よりも縦にも横にも大きい。
 髪はツンツン立つほど短く刈り上げていて、頬には傷がある。一見すると柄が悪そうな雰囲気なのだが、物腰は穏やかなものだ。
「まあまあ、タデウス。いいだろ? クライヴだって、問題を起こそうと思ってたわけじゃない――お嬢さん、無事?」
 と、さらにもう一人加わる。こちらの青年は、白を基調とした神官衣を身に着けていた。たぶん、衣の下に軽鎧を着用していると思う。クライヴやタデウスと比較すると、いくぶんチャラそうな雰囲気だ――神官なのに。
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