捨てられた令嬢はチートな精霊師となりまして
 レオニードの言葉に、タデウスも同意した。
 国境を越えて数日行ったところに、クライヴの領地であるロシードがある。そこならば、他国よりもずっとクライヴの手の者を動かしやすくなる。
 なにしろ、今は手の者はまったく動かさずに、レオニードとタデウスの二人だけなのだ。
「――で? イオレッタちゃんがどうしてそんなに気になるんだ?」
 レオニードがぐいとこちらに身を乗り出してくる。彼が、こういう顔をしている時は、ろくなことを考えていないのだ。そのぐらい、長い付き合いで完璧に呑みこんでいる。
「それはいいだろう、どうでも。それより、暗殺者達から何か出てきたか?」
「何も。証拠は見事に消されていますね」
「――だよな」
 あの兄が、弟を殺そうというのだ。簡単に足がつくような真似はしないだろう。
「生きていれば、騎士団仕込みの尋問術を実施で練習する機会が得られたのですが」
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