完全犯罪を成し遂げる方法
「……は?」

何が起きたのかわからず、百合は固まる。だが、その体をまるで蛇が這いずり回る感覚が走り、その顔はどんどん真っ青になっていく。

「蠱毒の呪いが一部、返ってきてしまったみたいですね」

呪術師の男性はどこか楽しそうに笑いながら言う。百合は素早く男性の肩を掴み、「何とかして!!あなた呪術師なんでしょ!?」と懇願する。だが、男性がニコニコと笑いながら告げたものは、あまりにも残酷で無慈悲な言葉だった。

「私は呪術師です。呪いをかけることは専門ですけど、それを祓うのは専門外ですよ。それに合うじゃないですか?人を呪わば穴二つって。呪いを何の知識もない人間が扱うと、こうなるんですよ」

せいぜい残された時間を大切にしてくださいね、それだけ言い男性は百合の手を解くと歩いていく。百合はその背中を見ながら、声をならない声を上げながらその場に崩れ落ちた。








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