推しは策士の御曹司【クールな外科医と間違い結婚~私、身代わりなんですが!】スピンオフ
夜のドライブは終了し、専務は私のマンションの前に車を着けた。
「ありがとうございました」
シートベルトを外して運転席の専務に向かってお礼を言うと「こちらこそありがとう」と言ってから、私の顔をジーッと見つめる。
推しの顔は夜の高級車の中でも、吸い込まれそうな綺麗な顔で、この距離でそのお顔を拝見するのは失礼にあたりそう。いやでも、専務ってけっこう距離が近い男性だ。海外仕込み?視力が悪いとか?
地味に少し下がると、じりっと追ってくるので距離の近さは変わらない。
密室空間なので、余計に専務の空気を感じてしまう。ドキドキが止まらなくなる。そして私から目を離さないので、私も魔法にかけられたようになってしまう。
「また会えますか?」
「はい」反射的に即答する。
「2月14日の夜に会えますか?海外出張があるので遅れたらごめんなさい」
「はい」逆らえないオーラがある。専務はメンタリストかもしれない。
「今日は本当にありがとう。楽しい夜でした」
「こちらこそありが……」
お礼を言ってたら、急に腕を引かれてその胸に抱かれた。専務の香りがする。上質なスーツはやっぱり肌触りがいい。コーヒーショップ前のハグを思い出してしまった。
私みたいな一般庶民のモブが何をやっている!早く離れなさいという心の中で自分が叫んでいるけれど、専務の腕の中はなんて心地が良いのだろう。
そして頬が重なった。チークキスってやつですか?よくフロント越しにお客様がやってるやつですか?普通の挨拶だけど、日本人はそんなに……いや、ちょっと待って唇が耳元にあるでしょう。パニックです。
「本当は部屋に行きたいけど」
「えっ?」
頭の中が真っ白になり、変な声が出てしまった。
「明日は仕事ですね。おやすみなさい。今日は本当にありがとう」
耳元でそう言われて、私は「おやすみなさい」と返事をして、逃げるように車から降りた。
専務は車の中で笑顔を見せてから、スーッとまた夜を走って行ってしまった。
夢オチ……では、ないようだ。
車をずーっと見送って、冬の寒さで現実と知った。
「ありがとうございました」
シートベルトを外して運転席の専務に向かってお礼を言うと「こちらこそありがとう」と言ってから、私の顔をジーッと見つめる。
推しの顔は夜の高級車の中でも、吸い込まれそうな綺麗な顔で、この距離でそのお顔を拝見するのは失礼にあたりそう。いやでも、専務ってけっこう距離が近い男性だ。海外仕込み?視力が悪いとか?
地味に少し下がると、じりっと追ってくるので距離の近さは変わらない。
密室空間なので、余計に専務の空気を感じてしまう。ドキドキが止まらなくなる。そして私から目を離さないので、私も魔法にかけられたようになってしまう。
「また会えますか?」
「はい」反射的に即答する。
「2月14日の夜に会えますか?海外出張があるので遅れたらごめんなさい」
「はい」逆らえないオーラがある。専務はメンタリストかもしれない。
「今日は本当にありがとう。楽しい夜でした」
「こちらこそありが……」
お礼を言ってたら、急に腕を引かれてその胸に抱かれた。専務の香りがする。上質なスーツはやっぱり肌触りがいい。コーヒーショップ前のハグを思い出してしまった。
私みたいな一般庶民のモブが何をやっている!早く離れなさいという心の中で自分が叫んでいるけれど、専務の腕の中はなんて心地が良いのだろう。
そして頬が重なった。チークキスってやつですか?よくフロント越しにお客様がやってるやつですか?普通の挨拶だけど、日本人はそんなに……いや、ちょっと待って唇が耳元にあるでしょう。パニックです。
「本当は部屋に行きたいけど」
「えっ?」
頭の中が真っ白になり、変な声が出てしまった。
「明日は仕事ですね。おやすみなさい。今日は本当にありがとう」
耳元でそう言われて、私は「おやすみなさい」と返事をして、逃げるように車から降りた。
専務は車の中で笑顔を見せてから、スーッとまた夜を走って行ってしまった。
夢オチ……では、ないようだ。
車をずーっと見送って、冬の寒さで現実と知った。