時をこえて、またキミに恋をする。
今日から2学期だ。


「宗治にいちゃん。今日、学校から帰ったらゲームやろうぜ」

「おう。いいぞ、朔」


いつものように、わたし、宗治、朔の3人で登校し、途中の道で小学校に向かう朔と別れる。

朔が曲がり角を曲がり、見えなくなると――。


急に宗治が手を繋いできた…!


「な…なにっ!?」


驚いて、慌てて手を振り払う。


「なにって、現代ではこれが恋人同士がすることじゃないのか?テレビで見たぞ」

「…それはそうかもしれないけど、いきなりされたらびっくりするじゃん…!」


テレビがない時代だったからか、メディアからの情報にすぐに影響される宗治。


手を繋ぐのだって、おそらくこの前見た青春恋愛ドラマから得た知識だろう。

主人公の男の子とヒロインの女の子が付き合って、初デートに出かける回だったから。
< 219 / 279 >

この作品をシェア

pagetop