俺様御曹司は十二歳年上妻に生涯の愛を誓う
第八章 すれ違い
「約束は出来ませんが、皆さんのご意向に沿うように検討させていただきます」

彼はそう言って商店街をあとにした。



マンションに戻ると、早速東條さんに電話で指示を出していた。
食事が終わると、彼はしばらく自分の部屋から出てこなかった。
深夜零時を回っていた、私は彼の部屋に様子を見に行った。

「蓮さん、まだお仕事終わりませんか」

「あ?っ、先に寝てくれ」

「わかりました」

彼は朝になってもベッドにはこなかった、部屋に入ると、彼はイスで眠っていた。
彼の寝顔をしばらく見ていた。
彼が目を覚まし、私に気づくと、目を逸らした。

やっぱり私は嫌われたと確信した。
しかし、彼がわざとベッドには行かず、イスで寝ていた事など知る術はなかった。
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