君にかける魔法
高校2年・春




コンビニのアルバイトで潰れた春休みもあっという間に終わり、私は進級し高校2年生となった。

私が通う高校は、毎年クラス替えが行われる。


そう。
今日がこれからの1年を左右するということだ。
2年次には修学旅行というビッグイベントも控えているので、より一層重要になる。

とはいえ、私、美園 萌桃(ミソノ モモ)はそこまで重要視はしていない。
コミュニケーション能力が高くは無いが、人の好き嫌い等特に無いし、これまでに対人トラブルに巻き込まれたことも無い。
平穏に、平和に、毎日を何事もなく、過ごせればいいな、くらい。


2年生の教室は2階にある。
うちの高校は、学年毎に階が分かれている。
1年生の時は4階。エレベーターなど高校には無いので、登校や移動教室の時階段がきつかったなぁ。
それが半分と考えればありがたい。
クラス数の関係か、3年生は3階。4階に比べればマシ。


2階分になり、少し足が楽になった。
階段を上る。

『2-1』


少し上を見上げ、クラスを確認。
見た目だけは今までと一緒のドアを開ける。

黒板に貼ってある座席表を確認。

…それにしても


みんな、クラス替えではしゃぎすぎでは…


動物園と言わんばかりのうるささ。
まぁ、新学期なので仕方があるまい。

「モモ!」
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