君にかける魔法
2
夏休みが終わり、2学期が始まる。
2学期が始まり、次の週には学園祭がやってくるのがここの伝統だ。
ハルカが居なくなった教室は少し寂しい感じがした。

「おはよう、モモ!」
「おはよう、ナツキ、あ、クルミちゃんもおはよう!」
「おはよう、モモちゃん」

先生が勝手に決めた席替えは、
私の隣の席がナツキ、私の真後ろの席がクルミちゃんだった。
流石、ナツキの姉・星川先生、分かってる。
寂しさが和らぐ。

そういえば、教室移動などの時、視線をすごく感じた。
というのも、学校のビッグカップル・バスケ部のエースとチア部のセンターの破局は夏休み中にあっという間に話が広がってしまっていた為だ。
人の恋愛などそこまで気にしなくても、と思う。
ナツキは生徒の誰かに別れた事を聞かれても、何事も無かったかのような態度で接していた。
あんなに泣いていたのにな…と、時折花火大会のあの光景が頭に思い浮かぶ。




「…というわけで、うちはうさぎカフェを出店します!」
学園祭のクラス出店決め。
どうやらこのクラスは以外とアニメ好きが多かったらしく、『○○○○ヒの〇鬱』を再現したい!とお調子者の男子生徒が発言した流れから、主人公のコスプレを取り入れる謎展開になった。
とはいっても実際にやるとなると教育委員会に行ってしまいそうなので、うさぎの耳をつけたメイドカフェっぽい感じになりそう。
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