君にかける魔法
「ふふっ、…クルミ絶対本家の似合うっ…」
そのアニメの画像をスマホで調べたナツキがクルミちゃんに見せつける。

「あんたなんて想像してんのよ!変態!!」

小声で言い返すクルミちゃん。
良かった。普通に仲良しだ。
その2人の光景をみて、私も笑ってしまった。

「でも、何だかんだでモモちゃんが一番似合うんじゃない?」
「確かに!メイド服絶対似合うよー」
「えっ…」

てっきり今年も裏方で衣装作りやフード作りをやろうと思っていたのに、「私たち売り子で!」ってナツキが学級委員にアピールしてしまったので、売り子になってしまった。
ハルカがいたらきっと助けを求められたのにっ!
そんなことも思った。

今年は今までと何か違う。
きっとナツキとクルミちゃんのお陰。
周りの環境・人が変化していくのを感じながら、急ピッチで学園祭に向けてクラス一同頑張っていく。





学園祭前日。
部活の出し物等で忙しい人を除き、全員強制参加で準備を進めていく。

「モモちゃんはこれでサイズ良かったかな?」
「うん。大丈夫だよ。」

メイド服のサイズ確認をした後は、看板など教室の内装を作った。
明日、明後日とあの可愛い衣装を自分が着るとなると気が引ける。
お洋服作りが趣味のクラスの子が、本格的なメイド服を数日で作りあげていた。
そのおかげでクラス予算があまりに余っている為、「終わったあとの給料上がるwww」と一部の人は喜んでいた。
< 41 / 154 >

この作品をシェア

pagetop