君にかける魔法
「そんなの分からないよー」

私はとりあえず、観光名所が描いてあるプリントクッキー(一人暮らしなので量少なめのもの)を購入。
せっかくならもっと大阪らしいものを買えばよかったと買ってから後悔した。


そして帰りの飛行機の時間になった。
本当に、まだまだ旅行したい気分だった。
荷物を預ける時に気づいたことなのだが、ナツキのキャリーケースには以前一緒に買ったアクキーが付いていた。
実は私も目印のために付けていた。
旅行の最後になんだか少し嬉しくなった。






ーーーーー
外が暗い。
それもそうだ。
もうすぐ終わるんだ。

クルミに言われた。
『伝えなきゃ、分からない』って。


ゴクリと息を飲む。

ーーーーー




「またねー」
「ばいばーい」

どんどん生徒たちが解散していく。

無事に私たちは学校に帰ってきた。
クルミはお母さんが車で迎えに来ていた。
あまり走ったり出来ないし、この3日間何かと大変だったに違いない。

『今から会えない?』

青葉さんからLIN○が来ていることに気づいた。
私は帰ろうとキャリーケースを引いた。


「ま、待って!!」


キャリーケースを持つ私の手をナツキが掴む。


「少し、話したいことがあるの」


涼しい夜なのに、顔が赤くて少し汗ばんでいた。
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