【改訂版】貴方は悪役令嬢ですよね? ─彼女が微笑んだら─

11【魔王】ノワール

俺様の名前はノワール・ブラン。
明らかにふざけた名前にしたのは、わざとだ。
勿論、本名は別にある。
よく言う『絶対に口にしてはならない名前』だ。
1000年の間、誰も俺の名前を知らないので呼ぶことはなかった。
知られても、正しく発音も出来ないだろうがな、魔界の王の名だから。


300年に一度現れる『光の乙女』出現の波動をここに感じた俺様は、乙女がその忌々しい力に目覚める前に、殺してやろうと学院に自ら潜り込んだ。

どうして魔王たる俺様が動くのか?
それは、600年前に配下が乙女暗殺に失敗して、当時の『光の乙女と輝く勇者の仲間達』により小規模な魔界討伐をされてしまい、魔物人口は一時減少したからだ。
それで前回の300年前には俺様が出ばって、乙女と勇者一同を処理したのだ。


そういう訳で、今回も俺様が降臨した。
ちょっと学院長始め、職員全員の記憶を書き換えてやると、
『勤続10年以上のブラン先生』という名の、魔法学の教師の完成だ。
授業なんかも当然したことはない。
教室に居る生徒どもの意識を操作するだけで、講義を受けた記憶を上書き出来るのだ。
俺様は教科書通りの知識を奴らの脳内に送るだけだ。


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