魔界の王子様は、可愛いものがお好き!

 すると、ヘビ男が大きく両手を広げた。

 まるで、ショーでも始めるみたいに、腕や翼を広げたベビ男を中心に、いくつもの影が現れた。

 まるで忍者みたいに、シュッと音もなく出てきた数人の影。

「もう、アラン様ったら、家出なんてしちゃダメだケロ」

 カエルぽい服を着た女の人。

「どこへ逃げても、無駄でござるよ」

 サルみたいなしっぽを生やした男の人。

「あなた様は、いずれ魔王様の後を継ぐ大事な後継者。いい加減、自覚を持って下さい」

 そして、ライオンの顔をした大男!

(ッ……囲まれてた!?)

 一、二、三……六人の魔族に!?
 しかも

「さぁ、魔界軍幹部である我々が、総出でお出迎えに参りましたぞ!」

「!?」
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