魔界の王子様は、可愛いものがお好き!

 伸び縮みしなさそうな素材なのに、つける時は、少しだけ広がって、あっさり腕に馴染んだ。それに、つけてる感覚がしないくらい軽い。

「へー、魔法道具かぁ」

「試しに、ララちゃんを手の平に乗せて念じてごらんよ。『中に入れ』って思えば入って、取り出すイメージをもてば、また出てくるから」

 そう言われ、いわれるまま試してみると、手の平からシュッとララが消えて、そして、また手のひらに戻ってくる。

「うわぁ、すげー! なにこれ、ドラ左衛門の四次元ポケットみたいじゃん!」

「ドラざえもん?」

「あ、そっか、しらないのか!」

 そうだよな、魔界にすんでるアランが、日本のアニメなんて、知るわけないよな!

「それなら、ララちゃん、持ち歩けるでしょ?」
「うん!」

 自分の腕に着いた銀色の腕輪を見て、なんだが、すごく感動した。

 俺、今、ものすごいモノつけてる!

(ほんと、夢でも見てるみたいだ……っ)


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