魔界の王子様は、可愛いものがお好き!

「うわぁぁぁぁぁ!!!」

 俺は、またまた追いかけられていた!
 しかも、今度は、花村さんも一緒に!!

「威世くん、なにアレ!?」

「ごめん! ホントごめん!! 俺のせいで!!」

 誰もいない学校の中で、俺と花村さんを追いかけてくるのは、理科室にある白骨標本──通称『ガイコツ』!

 信じられるか!?
 ガイコツに追いかけられてるんだぜ!

 もう、七不思議もビックリだろ!

「花村さん、こっち!」

 花村さんの手を引いて、必死に逃げて、なんとか自分たちのクラスに逃げ込んだ。

 扉を閉めたあと、なんで、こんなことになったのか、息を整えながら思い出す。

 学校が終わった後、俺は、昼休みに借りれなかった本を借りるため、また図書室に行った。

 すると、そこには、また花村さんがいて、俺が放課後、本を借りに来るかもしれないとわざわざ、まっていてくれた。

 だけど、花村さんから、本を受け取る瞬間、いきなり空間が歪んで、人がいなくなって

(……これ、昨日と同じだ!)
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