甘く落ちて、溶けるまで
落ちそう

「ねぇねぇ椿くん、ここってどう解くの?」



「ちょっと、私が先だったのに…!」



「私もこれわかんない〜!椿くん教えてっ?」



はぁ〜〜〜〜。



「一人一人教えるから、ちょっと待っててくれるかな?」



「「「うんっ♡」」」



うるっさいなぁこの人たち…!!



女子生徒3人の語尾にハートが付いたような萌え声を聞いた私は、椿くんの隣でうんざりていた。



2週間後に迫っているのは、みんなが恐れる中間考査。



私もそれは例外ではなく、放課後に一人黙々と勉強に励んでいたんだけど。



『真面目な有栖さんを見習って、俺も勉強して帰ろうかな』



とかなんとか言って、教科書と問題集を出して取り組み初めたらこのザマ。



勉強を教えて欲しいって言うのは、所詮建前。



勉強なんてしたくないけど、椿くんになら教えてもらいたい。



あわよくば、もっと話してお近づきになりたいって言う魂胆が見え見えなんだから。
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