甘く落ちて、溶けるまで

おかげで私の席の近くにまで人が寄ってくるし、うるさくて勉強できるわけがない。



やるならよそでやってよ…!!



と大声で言いたいくらい、ストレスが溜まっていた。



しかも、なんかいつもより女子の存在が目につくの。



椿くんにベタベタしてて、気持ち悪いったらありゃしない。



わざわざ図書室に行くのは面倒だったから教室でやってたけど…さすがにもう、我慢の限界。



…はぁ、仕方ない、移動しよっと。



そう思って席を立とうと椅子を引いた時、椿くんの顔がぐりんとこちらを向いた。



「有栖さんは、わからないとことかないの?」



「……はい?」



この人、何言ってるの…?



いきなり私に声をかけたことで、女子たちは不満そうに顔をしかめた。



そりゃあ、自分に教えて貰ってる途中で他の女子に声をかけられたらいい気はしないだろう。



馬鹿なの?ねぇ馬鹿なの?



思わぬ所で飛び火をくらい、頬がぴくぴくと痙攣し始める。



「……ないですけど?」



でも、無視することも得策ではない。
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