元傾国の悪女は、平凡な今世を熱望する
 殿下は表向きは温和で優しい、完璧な王子様かもしれない。だけど、生徒会室にいる時は清々しいほど『俺様プリンス』に変貌する。後者の方が本性なんだから、レオンの言う『断れない性格』って言うのは明らかに語弊がある。


(わたし、何回あいつに『却下』って言われたか覚えてないんだけど)


 休暇の申請を出しても、仕事を減らすよう頼んでも、邪悪な笑みで却下された。深く根に持って当たり前だろう。
 レオンはもう一度「すみません」って口にしながら苦笑を浮かべた。


(ホント、あいつのせいで予定が狂いまくりなんだけど)


 魔術科から生徒会役員が立つのは学園の伝統だ。
 一番の理由は在籍する生徒の比率の問題なんだけど、魔法が使えるってことは結構重宝されるらしい。おかげで、レオンや他のメンバーからもあれこれ頼まれて、手を抜く暇もありゃしなかった。


(何よ。魔法を使えるのはわたしだけじゃないのに)


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