白雪姫とシンデレラ

家出

むかしむかし、あるところに二人のお姫様がいました。
そのお姫様も、本当はただのこどもでもおとなでもないお年頃。

一人は、白雪姫。母親から虐待を受けていた。
虐待は法律上いけないことなのに、いつも笑われて、みてるだけで苦しくなりそう。
今日の夕飯は、紫色のスープをスプーン一杯だけだった。
白雪姫は無事生きている。でも、服もぼろぼろで、城には居場所も何もなかった。
「私は、家出する。」
それを実行したのは半年前のお話。
今は、小人さんと果物を食べて、とっても幸せ。

もう一人は、シンデレラ。姉から暴力を受けている。
白雪姫と同じく、どこにも居場所がない。
今日の夕飯は、ない。シンデレラは餓死しかけていて、とてもお姫様と言える姿ではなかった。
「お腹がすいた…」
と言ってもただ姉たちがクスクスと笑うだけ。
「私、家出する。」
そう言ってもなかなか母が許してくれない。
でも、父はシンデレラの悩みに寄り添ってくれた。
父はこっそり家出を許してくれた。

シンデレラは、家出したけれど、そこには何にもなかった。あるのは、リュックの中に入っているクッキーとパンの耳だけ。
「空き家でも探そうかな…」
外はとても寒い。夜だし。
シンデレラは街灯探しの旅に出ることになった。

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「街灯が…あった!」
そこには、赤いリボンをつけた黒髪の女の子と小人が、楽しそうに暮らしていた。
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