あの日ふたりは夢を描いた
僕は高校二年生になった。

四月も下旬に差しかかった頃、僕はいつもと変わらず学校終わりにレッスンに来ていた。

「理央、サビに入る前の振りワンテンポ遅れてない?」

紘人から指摘が入り一緒に振りの確認をする。

「あぁほんとだ。助かったありがとう」

一人でもう一度踊ってみる。今度は出来そうだった。


「……調子悪いの?」

「えっ?」

「ちょっと休んだ方がいいんじゃない?」

「いや、大丈夫」

少し息苦しいぐらい、なんてことない。これ以上心配かけまいと笑顔を作った。
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