トランス・ブルー・ラブ  リアランとチェイサー

Xの犠牲とは

離宮に戻ると、
チェイサーは警備担当者に、引継ぎの報告をした。

リアラン様は「気分がすぐれない」と言って、
すぐに寝室に入ったとの事だった。

「まぁ、お祝いの席ですからね、
多少のお酒は、付き合いもあるので」

老執事は、リアランが酒臭いのに気がついていたようだ。
この執事も時折、リアランが寝酒をしていることを、知っていたのかもしれない。

「ええ、無理をされたようです」
そう答えて、チェイサーは唇をかんだ。

報告を終えると、着替える事もせず、チェイサーは街に向かった。
マダム・ルルの酒場の扉を開けた。

「あらまぁ、いつもよりずっと
ダンディですこと。
素敵な男前のお客様なら大歓迎よ」

マダム・ルルは、いつもの営業用スマイルで出迎えた。

チェイサーは大声でしゃべる酔客を、うるさそうに見回した。

「ちょっと、聞きたいことがある」

「オンナの子のことかしら?」

「ああ、そうだ」
マダム・ルルは、ぶっきらぼうな物言いに、何か感じたようだ。

「それでは、どの子にしましょうかねぇ」

チェイサーは即答した。
「マダム・ルル、あなたがいい」

チェイサーのいつもと違う、
余裕のなさそうな感じに、マダム・ルルはすぐに答えた。

「それでは、私の部屋で」
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