トランス・ブルー・ラブ  リアランとチェイサー
「宿はだめだ。
犬も一緒で、一泊だからと無理を言って、今回は何とかしたからな。

それにホークアイもいるし、
近くの農家とかで、あまり人が来ないところがいいな」

「そうだな。犬と鳥だと、一軒家で庭の広い所か。
この辺で顔の広い奴は・・」

ブラントンは衝立の上から顔を出して、給仕の女を呼んだ。

「これで支払いを。釣りはいらん。マダム・ルルに話がある。」

給仕の女は愛想笑いをして、
「マダム・ルルは接客中ですが、
お呼びしますか?」

「いや、2階に直接行くから」
ブラントンはそう言って立ち上がり、チェイサーの肩を軽く叩いた。
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