君の全部になりたい【完】


跪いた爽が私の両手を掬って、手の甲にちゅっ、ちゅっ、左右にキスをした。


「っ、」


驚いて声の出ない私。



そんな私を妖艶に見上げて、



「あいつが触るから、消毒。」



"あいつ"ってきっと新堂くんのこと。



「っ…ずるいっ」



「何が?」


ほら、そうやって、余裕なんでしょっ?



「…私ばっかり、ドキドキしてっ、」



爽に触れられるたび、おかしくなりそうなくらい気持ちが溢れるんだよっ。


爽からしたらどうってことない、揶揄ってるだけかもしれないけど。



「ほら、俺の方がドキドキしてる。」



そう言って、私の手を、爽の胸に当てて胸の音を聴かせてくれる。



「…ほんとだ。」



どどどどって、すごく速い。



「困ったもんだよ、全く。」


言葉とは反対に、なんだか嬉しそうに微笑む爽に、私も嬉しくて2人で微笑み合った。



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