今はまだ、折れた翼でも
私の頭を撫でていた手をそのまま三つ編みまで持っていきさらりと触れてからおろされる。

それがくすぐったくて、思わず小さく笑ってしまった。



「まあ、さすがに留年はまずいし。やれるとこまでは……やってみるつもりだから」


「それなら、私も協力するよ!わ、私じゃ、全然戦力にはならないかもしれないけど……!」



両手を握りしめてガッツポーズをする。



「そんなことねえよ。ありがとう、映茉」



……あ、今、笑った。

望くんの方を見ながら、そう思う。

前に、私の力で笑わせてみたいって思ってた。


でも今、叶ったのかな。



その日の夕焼けは、赤くて、とってもきれいだった。




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