浮気されたら、エリート整形外科医に溺愛されました【完】

水姫の嘘

ジメジメとした空気が漂うこの季節。
外は今日も冷たい雨が降っていて、洗濯物がカラッと乾かず頭を悩ませている。

月日が流れるのは本当に早く、私が実家に戻って来てから2ヶ月が経とうとしていた。

桜川病院を辞めてからも、2ヶ月が経つ。
今は、実家近くのお弁当屋さんでパートとして働いていて、身体に負担が掛からない程度で働かせてもらっている。


「じゃあ、行ってきます」

「あら水姫、送っていかなくても平気なの?」

「大丈夫だよ。 すぐ近くだし、すぐ終わるから。 お母さんも、仕事遅れないように出てね」


そう言いながら、忘れ物がないか玄関に座って再度自分のバックを覗き込む。


絶対に忘れちゃいけないもの……財布でしょ、スマホでしょ。

ーーーそれから星川クリニックの診察券に、母子手帳。


大丈夫、全部入ってる。
確認後、バックを肩に掛け「それじゃあ、行ってきまーす」と言いながら家を出た。

今日は仕事はお休みで、検診に行かなければいけない日。


3月下旬、桜川先生と愛し合ってからすぐ。 私の体調に変化があったことに気が付いた。

今まで順調にきていた生理が、3月はきていない。
だいたい月の中頃にきていたことが多かったのに、1週間以上も遅れていた。

比較的体調管理はしっかりできている方で、普段から風邪をひくことはなく健康には自信があったのに、先日からどうも調子がおかしい。
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