再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。

第79話


「コハルたちはここで待っていて」

 エルはふわりと浮き上がった。

「私も」
「いけませんコハル様」

 私も一緒にと続けようとして、ローサに強い口調で止められてしまった。

「でも」
「魔族たちは魔王を封印したコハル様のことを恨んでいるかもしれません」
「っ!」
「姿は見えなくとも、万一のことを考えてここで待ちましょう」

 真剣な顔で言われて口を噤む。

(そっか……私、魔族たちから恨まれているかもしれないんだ)

 ツキリと小さく胸が痛む。
 でも仕方のないことだ。7年前、私は魔王を封印し魔物たちをたくさん殺してきたのだから。

「メリーもあそこには行きたくないのです、コハルさま……」

 申し訳なさそうに小さく言ったメリーに私は笑顔で頷く。

「うん、そうだね。待ってる」

 魔族たちの様子は気にはなるしエルと王子のことが気掛かりだけれど、ここで大人しく待っていた方が良さそうだ。
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