偽る恋のはじめかた
「私はもう・・・・・・必要ないですね」
必要だよ、
俺には椎名さんが必要なんだよ。
この関係が終わりなんて・・・・・・
———嫌だ、心の中で主張する。
「終わりじゃなくて・・・・・・またお礼をさせて欲しい」
「・・・・・・これからの週2回のランチは?」
なんとか繋ぎ止めたくて必死だった。
必死に絞り出した言葉は、全て拒否された。
終わりたくないんだ。
椎名さんと、もっと一緒にいたいんだ。
そう伝えたいのに、なぜかその言葉は出てこない。駄々をこねる子供みたいに下手くそな言葉で繋ぎ止めようとしたけれど、断られて心がポキっと折れてしまった。
君との関係をなんとか繋ぎ止めたくて、言葉と方法をひたすら考えた。
きっといくら考えても、正解は俺にはわからない。俺の頭の辞書には正解が載っていない。
繋がりを終わらせたくないなら・・・・・・
不器用でも、下手くそでも、この感情を伝えよう。
椎名さんとの関係を終わりたくない。
もっと一緒に過ごしたい、と。
やっと決心がついて口を開こうと大きく息を吸った。と同時に聞こえてきたのは「あっ、この後予定あるので帰りますね!」その言葉と共に、俺の前から彼女は去っていく。