偽る恋のはじめかた
01 俺様上司

私、椎名 皐月(しいなさつき)は短大卒業後、希望していた広告代理店に就職も決まり、憧れの仕事が出来ると夢と希望に満ち溢れていた。




・・・・・のも、数年前の話。



希望していた広告代理店に就職出来たが、配属先は希望部署とは、程遠い人事部だった。

希望する部署に配属されないなんて、よくある話。と自分に言い聞かせて、思いっきり落ち込んだ。一瞬落ち込んだ後は、引きずることなく気持ちを切り替えられた。この時は、自分のさっぱりとした性格に感謝した。


人事部は会社の資源である"人材"の管理をする部署だ。社員(ひと)と向き合う仕事は想像よりも辛いことや苦労も多く、悩む暇もないくらい仕事に専念した。


配属されてから3年も経つと、仕事を効率良く片づけられて社員(ひと)と向き合う仕事に魅力や楽しさを感じていた。


そう。人事部の人間関係も問題はなく、全て順風満帆だったのだ




———新しい上司がくるまでは。
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