偽る恋のはじめかた
その日以降も、桐生課長の奇妙な行動と言動は続いた。
「椎名さーん、お昼行きません?」
「・・・あー、」
「黒須くん!!この仕事お願いしていいか?」
隣の席から黒須くんが、お昼に誘ってくれたが、返事をする前に遠くの席から飛んできた桐生課長がそれを阻止するように、黒須くんに言い放った。
「えぇ?この仕事今っすか?」
「・・・・・・あぁ、課長命令だ」
「あー、わっかりましたよ、・・・・・・椎名さんお昼行けそうにないっす」
桐生課長に視線を向けると、満足そうに口角を上げている。その表情の意味はこの時わかっていなかった。