偽る恋のはじめかた
俺様課長だった| 桐生課長は、かなりの残念な人(ヘッポコ)だった。
俺様上司になれるように協力すると思わず言ってしまったけど、既に後悔している。
「日頃から俺様上司を演じてたってことは・・・・、好きな人は人事部の中にいるってことですか?」
「あぁ・・・・・・うん」
桐生課長は顔を赤く染めて頷いた。32歳の大の大人が好きな人のことを聞かれて顔を真っ赤にするとは。よっぽど好きなんだなあ。
嬉しそうな顔をしている桐生課長を目の前にすると、今更断る事もできなかった。
「で、好きな人は誰なんですか?」
「えっと・・・・・」
恥ずかしいのか、なかなか言い出せずに口を噤む。
「ターゲットは教えてもらった方が協力できると思いますよ?」
「・・・・・雨宮 梨花さん」
「えっ?」