偽る恋のはじめかた





目の前に置かれたビールジョッキ。喉に流し込もうと手に取ろうとすると、急に気持ち悪さが襲ってきた。

空きっ腹にビールが効いたのか、胃の中でお酒が攻撃してくるように胃痛と気持ち悪さが交差する。


「・・・・・ちょっとトイレ。・・・・・行ってくる」



気持ち悪さが増してきたので立ちあがろうとすると、頭がぐわんと揺れるのを感じた。気持ち悪さと共に、酔いが一気に回ってきたようだ。


職場の飲み会で失態(しったい)(さら)すわけにはいかない。まだ残ってる理性のおかげで頭をなんとか回している状態だ。



「大丈夫すか?心配だから一緒行きますよ?」


「いや、大丈夫大丈夫・・・・・」


ふらふらして助けてほしいところだが、このままではトイレに辿り着く前に万が一の危険がある・・・・・。


後輩の前で醜態(しゅうたい)(さら)すわけにはいかないので、なんとか断った。

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