真夏に咲いた奇跡の恋花火
口論し始めた両親にボソッと口を挟んだ。
「ダメよ! 今日はお友達と約束があるんでしょう?」
「そうだぞ! 緊急事態だからって先約を放棄するのは……」
「でもっ、今はおばあちゃんのほうが大事だよ!」
反抗するように声を張り上げた。
お父さんの言う通り、ドタキャンは相手に迷惑をかける行為。
ましてや集合時間直前。信用をなくす恐れだってある。
しかし、祖父は数年前に他界。伯父と叔母も地方にいるため、すぐには駆けつけられない。
今頼れるのは、地元に住んでいる母のみ。
「大丈夫。お祭りは来年も行けるし。早く行ってあげて」
「っ、ごめんね……」
母の背中を押すと涙声で謝られた。父も瞳をうるうるさせている。
おばあちゃんが心配で、お父さんの負担を減らしたくて決めた。だから逃げたわけじゃない。
……けど、少しホッとしている自分もいる。
万が一あの人に遭遇しても、お父さんと一緒にいれば安全だから。
それに……彼の好きな人を見なくて済む。
急いで2階に戻り、グループチャットにキャンセルの連絡を入れた。
「ダメよ! 今日はお友達と約束があるんでしょう?」
「そうだぞ! 緊急事態だからって先約を放棄するのは……」
「でもっ、今はおばあちゃんのほうが大事だよ!」
反抗するように声を張り上げた。
お父さんの言う通り、ドタキャンは相手に迷惑をかける行為。
ましてや集合時間直前。信用をなくす恐れだってある。
しかし、祖父は数年前に他界。伯父と叔母も地方にいるため、すぐには駆けつけられない。
今頼れるのは、地元に住んでいる母のみ。
「大丈夫。お祭りは来年も行けるし。早く行ってあげて」
「っ、ごめんね……」
母の背中を押すと涙声で謝られた。父も瞳をうるうるさせている。
おばあちゃんが心配で、お父さんの負担を減らしたくて決めた。だから逃げたわけじゃない。
……けど、少しホッとしている自分もいる。
万が一あの人に遭遇しても、お父さんと一緒にいれば安全だから。
それに……彼の好きな人を見なくて済む。
急いで2階に戻り、グループチャットにキャンセルの連絡を入れた。