能無し姫は執着系王太子殿下の寵妃になりまして。
「……改めまして、アナベル様。私は、マーベリックでございます。王国近衛団に所属しており、今は王太子殿下付きをしております」
マーベリック様は、馬車に乗るともう一度挨拶をして微笑んだ。
「マーベリック様、これからよろしくお願いします」
「私のことは、マーベリックとお呼び下さい」
「分かりました。では、マーベリック……改めてよろしくお願いします」
そうして、私はマーベリックを加えた五人とグロッサ王国騎士団さんと一緒に王宮がある王都へと出発した。