仕事サイボーグな私の恋愛事情~人生は物語のようには上手くいかない。それでも…また恋を始めても良いですか?
「はあ~……。君はまだ大和くんに執着するのかね?大和くんは優しい。君をストーカーで訴えることはしないと言っている。これからは大和くんとは離れ、頭を冷やし、心を入れ替えなさい。今回のことは自業自得だ」
ストーカー?
ドクンッドクンッと心臓が大きく音を立てている。
部長が何を言っているのか全く分からなかった。
一体何が起こっているの?
私がいない間にどんな話をしたの?
大和さん……あなたは自分を守るために私を切り捨てたのね。
私は全てを失った……。
両親からの信頼も、会社からも見捨てられた。
大和さん……あなたが好きだった。
そのあなたが……愛したあなたが、私をとことん傷つける。
何も無い私を、あなたはどこまで苦しめるの?
私が愛したあなたはもういない。
すでにスマホの通話は切れていたが、スマホを耳に押し当てたまま美月は小刻みに体を震わせていた。両目から涙が流れ落ち、嗚咽が漏れそうになるのを右手で押さえ、美月は泣き崩れた。
「……っ……うっ……」
漏れ出る声、
社会に出ても私の世界は……物語のようには上手くいかない。